研究課題
1.絨毛膜外絨毛細胞株HTR-8/SVneo、HchEpc1b、Swan細胞を用いてS1P1-3の受容体をノックダウンしたところ、HTR-8/SVneo細胞では再現性が得られず、それ以外の2種の細胞においてMMP-2の発現には有意な変化を認めなかったが、S1P2受容体のノックダウンにより約3倍MMP-9の発現亢進を認めた(P<0.05)2.HchEpc1b、 Swan細胞を用いて、細胞密度によりS1P受容体サブタイプの発現パターンが変化するかについて検討したところ、細胞密度が高い培養条件ではS1P1、3受容体発現が低下し、S1P2受容体発現は亢進していた。このことから、妊娠初期の胎盤形成において、cell columnのように細胞密度が高い状態ではS1P2受容体発現が亢進し、MMP-9の発現が低下して遊走能が低く、細胞密度が低い状態では、絨毛膜外絨毛細胞として遊走能が高く、S1P2受容体の発現が低下している可能性が示唆された。3.2の結果を踏まえ、妊娠初期摘出子宮標本において、S1P受容体サブタイプの発現パターンを検討したところ、S1P1、3受容体発現は絨毛外絨毛細胞に発現を認めたが、S1P2受容体の発現は認められなかった。4.S1P2受容体拮抗薬をE7、E9、E11に投与し、E14に胎仔、胎盤の重量には有意な変化は認められなかった。5. 羊膜における初代培養において、S1Pを添加したところ、ECE-1の発現は有意に亢進し、NEPの発現は有意に抑制し、結果として平滑筋収縮作用を有するET-1の発現の有意な亢進を認めた。したがって、S1PはET-1と協調的に陣痛発来に作用している可能性が示唆された。
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Biok Reprod
巻: 89 ページ: 1-7
10.1095/biolreprod.113.108480.