研究概要 |
EVT浸潤において、生理活性物質であるリゾリン脂質LPA、S1Pの受容体サブタイプの発現パターンを明らかにした。また、受容体サブタイプにより浸潤や遊走に促進的および抑制的に作用すること、シグナル伝達系やMMP-9の発現変化を介していることが判明した。受容体発現パターンには、細胞密度の関与を示唆する結果を得た。S1P2拮抗薬投与によるEVT浸潤促進作用が確認されたが、動物実験では有意な変化を認めなかった。一方S1P1,3拮抗薬投与により胎盤低形成、胎児発育不全のモデルを作成することができた。以上より、リゾリン脂質の受容体拮抗薬や作動薬が、胎盤低形成や胎児発育不全の新規治療への可能性が示唆された。
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