研究概要 |
【VAV1発現はmRNAレベルでもE-cadherin発現を抑制する】 平成24年度、卵巣癌細胞株SKOV-3にVAV1発現遺伝子を導入し、VAV1 恒常発現細胞株を樹立した。 更に、VAV1 恒常発現株でE-cadeherin発現が低下することを明らかにしている。平成25年度はこのE-cadherin発現がタンパクレベルでの分解促進によるものなのか、転写レベルでのものなのかを明らかにする目的で、E-cadherinのmRNA発現をリアルタイムPCR法にて検討した。 リアルタイムPCRの結果はVAV1発現依存性にE-cadherin mRNA発現の低下を認めるといった結果であった。 【VAV1のE-cadherin発現低下は転写制御因子であるSnail Slaugを介している】 VAV1 発現が転写レベルでE-cadherinの発現低下を起こしていることから、E-cadherinの転写調節因子の検討をおこなった。Twist, E2A, ZEB1, Snail, Slugなどの発現を検討し、最終的にSnail, Slugの発現がタンパクレベルでもmRNAレベルでもVAV1発現依存性に増加している事を見いだした。VAV1-siRNAでSnail, Slug発現が低下認めることから、VAV1がSnail, Slug発現を何らかの形で調整していることが明らかとなった。
|