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2011 年度 実施状況報告書

一塩基多型解析による子宮体癌幹細胞の個性診断

研究課題

研究課題/領域番号 23791854
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

野村 弘行  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50327590)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード一塩基多型 / 化学療法 / 効果予測 / 子宮体癌 / 卵巣癌
研究概要

本研究では、正常細胞と癌幹細胞の個性を共通して規定する因子としての一塩基多型(single nucleotide polymorphism: SNP)に着目し、SNPに基づいて評価可能病変のない卵巣癌および子宮体癌の標準的術後化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン併用療法:TC療法)の効果を予測できるシステムを開発し、さらに分子標的薬の関連経路との相関から治療適応の判別に有用なバイオマーカーを探索することを目的としている。 標準的治療を施行された上皮性卵巣癌症例および子宮体癌症例のうち、研究の同意が得られ血液検体が採取されている100例を第一段階の研究の対象とした。各症例より採取した血液検体にEDTAを添加し、遠心分離にて血漿成分を採取し、さらに各血漿検体よりリンパ球DNAを抽出した。 上記100例の中から、進行期等、臨床的背景に基づきアレイ解析に適切な64症例をまず選別し、抽出したDNAを用いて網羅的SNPアレイ解析を実施した。アレイチップは、日本人に該当するSNPを効率よく検出する目的から、HumanOmniExpressExome BeadChips(イルミナ社)を選択しこれを用いた。網羅的SNPアレイ解析の結果に基づき、術後化学療法後の好中球減少の程度が大きい群と小さい群の2群間で異なっていたSNPの抽出を行い、統計学的な解析を行ったうえで、術後化学療法の毒性を予測できるSNPを選別した。現在、術後化学療法(TC療法)の効果を予測できる診断キットを構築中である。 さらに、次年度に予定している研究作業につき準備を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の前半部分である、SNPに基づいた卵巣癌・子宮体癌の術後化学療法(TC療法)の効果を予測する診断キットの構築に必要な解析はすでに実施しており、本研究はおおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

引き続き次年度以降は、上記SNPアレイで選別したSNPについて、別途の卵巣癌・子宮体癌症例において検証を行う。新規の症例100例を選択し、手術摘出検体の非がん部位のパラフィン組織より、脱パラフィンの後DNAを抽出し、PCRにてこれを増幅する。抽出したDNAをdirect sequence法にて選別したSNPにつき解析し、化学療法効果および毒性との関連を検証する。さらにこの結果から、分子標的治療薬のターゲット分子に関連した遺伝子変異を探索し、臨床的背景等との関連性を検証する。

次年度の研究費の使用計画

次年度の研究費は、新たな症例に対してdirect sequence法にてすでに選別したSNPを解析する作業に主に使用することを見込んでいる。その他、各種消耗品の購入、情報収集や成果発表のための旅費も見込んでいる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 発現解析による子宮体癌の再発予測モデルの開発2011

    • 著者名/発表者名
      津田浩史、井口蓉子、片岡史夫、野村弘行、田中英雄、千代田達幸、平沢晃、進伸幸、青木大輔
    • 学会等名
      日本分子腫瘍マーカー研究会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2011年10月2日

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公開日: 2013-07-10  

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