• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

一塩基多型解析による子宮体癌幹細胞の個性診断

研究課題

研究課題/領域番号 23791854
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

野村 弘行  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50327590)

キーワード一塩基多型 / 化学療法 / 効果予測 / 子宮体癌 / 卵巣癌
研究概要

本研究では、正常細胞と癌幹細胞の個性を共通して規定する因子としての一塩基多型(single nucleotide polymorphism: SNP)に着目し、SNPに基づいて評価可能病変のない卵巣癌および子宮体癌の標準的術後化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン併用療法:TC療法)の効果を予測できるシステムを開発し、さらに分子標的薬の関連経路との相関から治療適応の判別に有用なバイオマーカーを探索することを目的としている。
第1段階として研究の同意が得られ血液検体が採取された上皮性卵巣癌63症例を対象に、血中正常リンパ球から抽出したDNAを用いて網羅的SNP解析(Illumina社)を実施した。化学療法時の好中球減少の程度で分けた2群間で統計学的に差の見られたSNPを選別し、好中球減少と相関する3つのSNPを抽出することができた。このうち、1つのSNPは良好な予後(無増悪生存)とも相関していることを見出した。
第2段階として、研究の同意が得られた子宮体癌35例を対象に、非がん部分のホルマリン固定パラフィン包埋ブロックよりDNAを抽出し、選別したSNPの有無をdirect sequence法にて確認する作業に取りかかった。
未使用額の発生は、研究への同意取得が予定より少なく解析症例数が減ったためであり、次年度も引き続き症例集積を行いこれに充てる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の前半部分である、SNPに基づいた卵巣癌・子宮体癌の術後化学療法(TC療法)の効果を予測する診断キットの構築に必要な解析はすでに終了した。引き続き、別検体での当該SNPの検証作業に移行しており、本研究はおおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

引き続き次年度以降は、上記SNPアレイで選別したSNPについて、別途の卵巣癌・子宮体癌症例において検証を行う。手術摘出検体の非がん部位のパラフィン組織よりDNAを抽出し、PCRにてこれを増幅する。抽出したDNAをdirect sequence法にて選別したSNPにつき解析し、化学療法効果および毒性との関連を検証する。さらにこの結果から、術後化学療法(TC療法)の効果を予測できる診断キットを構築し、また分子標的治療薬のターゲット分子に関連した遺伝子変異を探索し、臨床的背景等との関連性を検証する。

次年度の研究費の使用計画

未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果であり、翌年度のdirect sequence法に関連した物品等の購入に充てる予定である。翌年度の研究費は、新たな症例に対してdirect sequence法にてすでに選別したSNPを解析する作業に主に使用する。その他、各種消耗品の購入、情報収集や成果発表のための旅費も見込んでいる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 上皮性卵巣癌初回化学療法における治療効果予測因子としてのgene polymorphismsの解析2013

    • 著者名/発表者名
      野村弘行,津田浩史,片岡史夫,千代田達幸,井口蓉子,橋本志歩,山上亘,冨永英一郎,進伸幸,青木大輔,吉村泰典
    • 学会等名
      第65回日本産科婦人科学会学術講演会
    • 発表場所
      北海道札幌市
    • 年月日
      2013-05-10
  • [学会発表] 子宮体癌の再発を予測できる間質遺伝子の発現に基づいた卵巣癌症例のグループ化2012

    • 著者名/発表者名
      津田 浩史、野村 弘行、片岡 史夫、千代田 達幸、冨永 英一郎、山上 亘、進 伸幸、青木 大輔
    • 学会等名
      第32回日本分子腫瘍マーカー研究会
    • 発表場所
      北海道札幌市
    • 年月日
      20120918-20120918

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi