研究概要 |
子宮体癌の多くはエストロゲン依存性腫瘍である。本研究では日本人女性における女性ホルモンの合成・分解に関わる種々の酵素 (CYP19A1、HSD17B1など) をコードする遺伝子の遺伝子多型・ハプロタイプを解析し、症例対照研究の手法を用いて子宮体癌リスクとの関連を明らかにする。1、研究対象者の選択:当部で実施している大規模病因疫学研究システム (以下、HERPACC)のデータベースより閉経後子宮体癌症例 (91例)と対照群として非がんの閉経女性 (261例)を選択した。2、生活習慣等の環境要因情報・臨床情報・病理学的情報の収集と確定:HERPACCデータベースより、選択された対象者の生活習慣(身体計測情報、運動情報、生殖歴など)を抜き出した。また、子宮体癌症例では診療科や病理部の協力のもと臨床情報・病理学的情報を収集した。3、サンプルの調整と解析する遺伝子多型の決定:選択された対象者の保存buffy coatより、DNAを抽出した。また解析を行う遺伝子多型としてCYP19A1遺伝子多型 (rs12148604, rs936306, rs752760, rs10046)、HSD17B1遺伝子多型 (rs605519, rs2830, rs2676530, rs676387, rs2676531, rs597255)、HSD17B2遺伝子多型 (rs4888202, rs6564961, rs2955160)、CYP17A1遺伝子多型 (rs743572)、PGR遺伝子多型 (rs10895068)、ESR1遺伝子多型 (rs6905370, rs827421)などを選び、現在プローブ作成を発注している。遺伝子型が決定された後、これらの遺伝子型と環境要因の遺伝子環境交互作用を解析する予定である。
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