研究課題/領域番号 |
23791868
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
岸部 幹 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80447101)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 鼻性NK/T細胞リンパ腫 / EBV / 悪性リンパ腫 / 耳鼻咽喉科 / 頭頸部腫瘍 |
研究概要 |
1.microRNAのスクリーニングについては、鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株(SNK6、SNK1、SNT8)、および正常NK細胞、非鼻性NK/T細胞腫瘍細胞株(KHYG1)を用いて、microRNAアレイにて包括的にmicroRNAの発現をスクリーニングした。鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株で正常NK細胞、非鼻性NK/T細胞腫瘍細胞株と比較し、2倍以上発現上昇または、低下を認めた候補microRNAが複数検出された。2.microRNAの発現差をリアルタイムPCRにてコンファームした。Stemloopプライマーを用いて、絞り込んだ候補microRNAの発現差を鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株(SNK6、SNK1、SNT8)、および正常NK細胞、非鼻性NK/T細胞腫瘍細胞株間で定量的に解析した。現在、mir-15aが鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株で発現が低下しておりこれについて実験を進めている。mir-15aは非小細胞性肺癌、慢性リンパ球性白血病、上咽頭癌でもその発現低下を認めるmicroRNAとして報告されている。標的遺伝子として、MYB、BCL2、CDK6が知られている。3.microRNAの標的遺伝子の発現を解析した。mir-15aの標的遺伝子として、c-MYBに着目した。c-MYBの発現をリアルタイムPCR、蛋白の発現をウェスタンにて検討したところ、鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株でその発現が亢進していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初のほぼ計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
1.microRNAアンチセンスベクターの遺伝子導入。鼻性NK/T細胞リンパ腫細胞株で標的遺伝子の発現が低下していたmicroRNAについて遺伝子導入を行う。microRNAアンチセンスベクターをエレクトロポレーションにより遺伝子導入を行う。2.microRNAアンチセンスベクター導入株における標的遺伝子の発現。microRNAアンチセンスベクター導入株における標的遺伝子の発現をリアルタイムPCR、蛋白の発現をウエスタンにて検討する。3.microRNAアンチセンスベクター導入株の腫瘍特性の変化。microRNAアンチセンスベクター導入株を用いて、その腫瘍特性が如何に変化したかを非導入株と比較検討する。(例:標的遺伝子が腫瘍増殖に関与する場合、増殖能の低下を検討する。)以上、得られた結果について成果をまとめ発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当施設では、研究機器については充足しているので、全て物品費として充てる予定である。
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