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2012 年度 実績報告書

内耳障害における有毛細胞間リン酸化シグナル伝達異常の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23791873
研究機関群馬大学

研究代表者

村田 考啓  群馬大学, 医学部, 助教 (10569875)

キーワード神経科学 / 細胞 / シグナル伝達 / 耳科学 / チロシンリン酸化
研究概要

内耳障害により惹起されるリン酸化反応の検討を行い、新規標的因子を探る。正常新生仔マウスの内耳組織破砕溶液を用いpervanadate刺激下でのチロシンリン酸化状態をWestern blottingで解析したところ、cochlinを含むと思われる数個のbandでリン酸化の増加が生じていた。Cochlinをコードする遺伝子COCHの変異による遺伝性難聴家系が報告されており、常染色体優性遺伝形式をとるとされている。その聴力像は進行性難聴の形式をとるため、先天的な内耳機能障害といるよりは機能の恒常性維持機構の障害により進行性に難聴を来すことが想定される。この恒常性維持機構の一つとして内耳障害時に何らかの機能を担っている可能性は十分考えられる。また、cochlinタンパクのアミノ酸配列上、典型的なチロシンリン酸化モチーフではないがチロシンリン酸化を受ける可能性のある配列がC末端に存在しており、そこでcochlinのチロシンリン酸化状態について、抗cochlin抗体を用いた免疫沈降法を用いて評価すると、チロシンリン酸化を受けたと考えられるcochlinの増加が認められた。このことから、cochlinのチロシンリン酸化がpervanadate刺激で増加することが明らかになった。今後は、cochlinのチロシンリン酸化と内耳障害との関連について、内耳障害モデル(短期間組織培養下での低酸素刺激や内耳毒性薬剤暴露)を用いたチロシンリン酸化状態の変化について検討することが重要であり、同様に変動を認める場合、内耳組織における障害へのシグナル伝達応答に内耳特異的分泌タンパクであるcochlinが何らかの機能を有している可能性が示唆され、内耳障害への治療の端緒に繋がる可能性を秘めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 活動性中耳炎を伴う両側聾症例への段階的人工内耳埋め込み術2012

    • 著者名/発表者名
      村田 考啓
    • 学会等名
      日本耳科学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      20121004-20121006
  • [学会発表] Clinical evaluation of safety and efficacy of endoscopic-assisted arytenoid adduction surgery2012

    • 著者名/発表者名
      Takaaki Murata
    • 学会等名
      Combined Otolaryngology Spring Meetings 2012
    • 発表場所
      San Diego (USA)
    • 年月日
      20120418-20120422

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公開日: 2014-07-24  

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