近年、micro RNAと呼ばれる翻訳されない短いRNA分子が、発生、分化、生命機能維持や発ガンなど様々な生命現象に重要な事が明らかとなってきた。この短いRNAの作用メカニズムとして、micro RNAに含まれるseed領域と呼ばれる18塩基程度の領域が、mRNAとハイブリッドを形成し、そこにRISC複合体が形成されて遺伝子発現を抑制すると推定されている。 本研究では内耳におけるmicro RNAの解析をテーマに、加齢性難聴を示すモデルマウスとそのコントロール系統を用いて、若齢時と加齢時における内耳のmicro RNAおよびmRNAの発現量の違いを明らかにすることを目的にマイクロアレイ法を用いて網羅的に解析を行った。その結果、加齢性難聴を示すマウスでのみmicro RNAおよびmRNAの発現パターンが異なる事を見出した。
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