甲状腺癌の摘出標本に対して、全長のガレクチンー3を認識する抗体、ガレクチンー3のC末端を認識する抗体を用いて免疫染色を行った。ガレクチンー3は甲状腺乳頭癌ではどの検体でも瀰漫性に発現していた。濾胞癌ではガレクチンー3の発現は検体により大きく異なっており、散在性に発現していた検体、瀰漫性に発現していた検体があった。ガレクチンー3のC末端を認識する抗体を用いた免疫染色では再現性のある結果が得られず、条件を最適化中である。分解型ガレクチンー3を検出するELISAの系の開発も目指しているが、条件の最適化を行っている。現状では分解型ガレクチンー3の検出が安定して行えていないため、非分解型ガレクチンー3の発現程度を指標にした臨床的検討を行う予定である。具体的には、検体によりガレクチンー3の発現程度が大きく異なる濾胞癌を対象にガレクチンー3の発現程度と予後についての相関を症例数を増やして検討予定である。
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