研究課題/領域番号 |
23791898
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
森本 浩一 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (90457044)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
頭頸部癌に対する粒子線治療の治療効果を調べるために、兵庫県立粒子線医療センターでの症例解析を進めている。現状では陽子線と炭素線がある粒子線の治療効果についてであるが、以前は陽子線治療症例が炭素線治療症例よりも多いといった不均等があったが、炭素線治療症例の増加とともにこの不均等は是正されつつあり、両者の治療効果の比較が可能となってきている。また悪性腫瘍の治療効果は治療早期の成績も大切ではあるが、3年または5年といった長期での生存率、無病生存率、局所無増悪率のデータも治療効果を語る上では重要なパラメーターであり、治療症例の継続した経過観察を行い、治療成績の解析に寄与するようしている。頭頸部癌は組織型が多数あり、臨床研究から得られたデータから、基礎研究で調べる組織型として悪性黒色腫、腺様嚢胞癌を中心に粒子線感受性、抵抗性を調べていく。また頭頸部癌治療の柱の一つである観血的治療においても、米国を中心にロボット手術の技術向上が見られており、頭頸部癌治療にも応用され始めている。最近ではいよいよ治療効果についても成果が出てきつつある。治療効果の比較において、ロボットを用いた観血的治療の現状、成果、見通し等を確認することは必要と考えられる。新しい技術を用いた他治療との比較をすることで粒子線治療の現状、他治療と比べた利点、治療効果について検討していくことが可能と考えられる。そのため世界ロボットシンポジウムに参加し、最新の知見を渉猟した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床研究は兵庫県立粒子線医療センターでの粒子線治療症例を解析しており、治療後の経過観察も含め、おおむね順調に進展しているが、基礎的データの解析が十分とは言えない状況であるため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き臨床データの収集、解析を行いながら、頭頸部癌症例への粒子線治療効果を検討する。解析データから基礎研究へつなげる癌細胞株を選別していく予定である。また得られた研究結果は学会発表や論文作成を通じて発表していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は現在の臨床研究に加え、基礎研究を進めるため実験動物の購入・飼育、組織への粒子線の効果観察のための各種試薬購入のために研究費を使用する。また成果を学会発表や論文執筆するために研究費を用いさせて頂く予定としている。
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