頭頸部癌に対する粒子線治療の治療効果を調べるために、兵庫県立粒子線医療センターでの症例解析を引き続き進めていた。現状では陽子線と炭素線がある粒子線の治療効果についてであるが、以前は陽子線治療症例が炭素線治療症例よりも多いといった不均等があったが、炭素線治療症例の増加とともにこの不均等は是正されつつあり、両者の治療効果の比較ができる環境が作れつつある。また悪性腫瘍の治療効果は治療早期の成績も大切ではあるが、3年または5年といった長期での生存率、無病生存率、局所無増悪率のデータも治療効果を語る上では重要なパラメーターであり、治療症例の継続した経過観察を行い、治療成績の解析に寄与するようしている。頭頸部癌は組織型が多数あり、臨床研究から得られたデータから、基礎研究で調べる組織型として悪性黒色腫、腺様嚢胞癌を中心に粒子線感受性、抵抗性を調べていく予定であったがやはり長期効果の結果にはまだ期間が短かったため、組織型の選別には困難を要した。一方頭頸部癌の治療方法の一つである観血的治療に関して、喉頭癌をはじめとした頭頸部癌に対する治療効果について調査を行った。
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