研究課題/領域番号 |
23791900
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
江口 元治 岡山大学, 大学病院, 助教 (30432652)
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
マウスに対して水酸化アルミニウムゲルと卵白アルブミンの混合液を腹腔内投与することにより卵白アルブミン感作マウスを作製した。卵白アルブミン感作マウスの中耳腔に卵白アルブミンを経鼓膜投与したところ、マウス中耳腔に好酸球の浸潤を認めた。昨年度までの研究で、ヒト好酸球性中耳炎症例の中耳腔にはインターロイキン4、インターロイキン5、インターロイキン13などのTh2型サイトカインが有意に高い濃度で存在していることを確認していたため,卵白アルブミン感作マウスの中耳腔を洗浄し、それらのサイトカインを定量した。その結果,洗浄液中にTh2型サイトカインが検出された。我々は過去の検討において卵白アルブミン感作マウスを用いたアレルギー性鼻炎モデルマウスを作製している。今回の卵白アルブミン感作マウスの側頭骨を組織学的に検討したたところ、アレルギー性鼻炎モデルマウスと比較して好酸球の組織内浸潤が少なく、マウスの中耳腔においてアレルギー性炎症が十分に惹起されていない可能性が示唆された。また、卵白アルブミン感作マウスの中耳洗浄液中のインターロイキン4、インターロイキン5、インターロイキン13などのTh2型サイトカイン濃度は比較的低値で、炎症性サイトカイン濃度の観点からも本モデルマウスは好酸球性中耳炎の病態を十分に反映していると考えるにはアレルギー性炎症惹起が不十分と思われた。卵白アルブミンの投与回数や濃度を変更しつつ、より好酸球性中耳炎の病態に近い状態を再現できるよう検討を続けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
好酸球性中耳炎の病態を反映するモデルマウスの作製を進めており、中耳腔にある程度の好酸球炎症を惹起することに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き好酸球性中耳炎モデルマウスの作製を進める。中耳腔洗浄液中のインターロイキン4、インターロイキン5、インターロイキン13などのTh2型サイトカイン濃度や中耳組織中の浸潤好酸球数などを指標としてヒト好酸球性中耳炎の病態をより厳密に反映したモデルマウスの作製を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
抗体や各種炎症因子検出材料を購入するとともに、学会や研究会に参加し、成果を発表と情報収集を行う。
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