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2011 年度 実施状況報告書

ES細胞由来神経幹細胞を用いた、虚血性難聴に対する革新的な再生療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23791903
研究機関愛媛大学

研究代表者

高木 太郎  愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (20601024)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード突発性難聴 / 虚血性内耳障害 / ES細胞 / 神経前駆細胞 / 再生療法
研究概要

突発性難聴は40~50歳代に好発し、急激に発症して高度の感音難聴をきたす疾患であり、我が国では年間約2万5000人が罹患する。そして感音難聴の多くは内耳性難聴で内耳有毛細胞に障害が見られることが報告されている。哺乳類においては内耳有毛細胞(特に蝸牛有毛細胞)の形成は発生時に限られ、出生後は内耳有毛細胞が一度障害されると再生しない。従って従来治療不能とされていた感音難聴を治療する唯一の手段が各種幹細胞を用いた内耳再生治療と考えられる。そこで本研究はマウスES細胞から分化誘導して作成した神経前駆細胞を一過性内耳虚血モデル動物の内耳に移植し、虚血性内耳障害に対する革新的な内耳再生療法の開発を目的としている。本年度は、ES細胞から分化誘導して作成した神経前駆細胞を一過性内耳虚血モデル動物に移植し、内耳再生療法としての有効性を検討した。聴力域値変化は聴性脳幹反応(ABR)を測定する事によって行った。組織変化については、内耳虚血1、4,7日後に耳胞を取り出し、4%パラホルムアルデヒドにて局所潅流固定を行い、実体顕微鏡下にsurface preparation にてコルチ器を採取した。得られた標本をRhodamine-phalloidinおよびHoechst33342で二重染色し、脱落した有毛細胞の割合を計算し組織障害の程度を評価した。その結果治療群でABRの有意な改善効果は認められず、さらに組織でも有毛細胞の障害の程度は未治療群に比して有意な改善を認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初期の研究計画に基づき研究を継続している。

今後の研究の推進方策

初年度の検討では、ES細胞から分化誘導して作成した神経前駆細胞を一過性内耳虚血モデル動物の内耳に移植しても有意な改善効果を認めなかった。そこで本年度は造血幹細胞、内皮前駆細胞を含む各種幹細胞を派生することが知られている、骨髄単核球を用いた再生治療の可能性の検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

1)幼若骨髄単核球移植が内耳虚血障害に及ぼす効果の検討:生後1ヶ月目の幼若砂ネズミと生後10ヶ月目の老齢砂ネズミから骨髄単核球を採取し、老齢砂ネズミ内耳虚血モデル動物に移植する。そして幼若骨髄単核球移植による内耳虚血保護効果の有無を検討する。2)CD34やCD31を除去した骨髄単核球移植が内耳虚血障害に及ぼす効果の検討:生後1ヶ月目の幼若砂ネズミより採取した骨髄単核球から、磁気細胞分離法によりCD31、CD34又はCD133陽性細胞を除去した骨髄単核球を、老齢砂ネズミ内耳虚血モデル動物に移植する。これにより骨髄単核球のうちどの骨髄幹細胞が内耳虚血保護効果を持つかを検討する。3)骨髄単核球移植による内耳再生機構の解明:老齢砂ネズミ内耳虚血モデル動物に骨髄単核球を移植し、1、4,7日目に耳胞を取り出し、実体顕微鏡下にコルチ器を採取する。得られたサンプルをDNAchip解析やプロテオーム解析にて網羅的に遺伝子発現や蛋白発現解析を行い、内耳保護機構の詳細を検討する。

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公開日: 2013-07-10  

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