研究課題/領域番号 |
23791911
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
宮下 圭一 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30585063)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | PC(Phosphorylcholine) / OVA(Ovalbmin) / NALT / IL-4 / IFN-γ / Th1/Th2 |
研究概要 |
生後6週のBALB/cマウスを用いAからDの4つのグループに分けて実験を行った。グループA,BはそれぞれPC-BSAを週1回ずつ、3週にわたって腹腔内(IP)、および経鼻(IN)投与した。その後IgE高値のマウスモデル(アレルギーモデル)を作成するためにOvalbmin (以下OVA)+alumによる感作を行った。グループC、DにはそれぞれPBSを投与することでコントロール群とした。グループCにはOVA-alumによる経鼻感作を行い(positive control)、グループDにはOVA-alumによる経鼻感作を行わず(negative control)。OVA感作後にそれぞれアレルギー症状の観察と血清、脾臓、NALT組織のサンプリングを行った。アレルギー症状はそれぞれのグループで5分間ずつくしゃみと鼻かきの回数を計測し、また血清からELISA法にてtotal IgEおよびOVA特異的IgEを測定した。またNALTおよび脾臓から単核球を分離し、そこからCD4陽性T細胞を分離精製した。CD-4陽性T細胞をOVAで刺激後に、培養上清中のIL-4,IFN-γをELISA法で測定した。結果はPC-BSAを事前に投与した群では、positive contorol群と比べて、アレルギー症状の有意な低下を認めた。また血清OVA 特異的IgEの低下を認めた。IL-4の産生抑制を示していたことから、Th2型の反応にシフトしている可能性が考えられ、PC-BSA前投与によるアレルギー反応抑制推測された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に当初計画していたマウスを用いた実験は順調に進み、論文作成のためのデータの解析を行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に得られたサンプルを基にELISA法でのサイトカイン測定を行う。また、PC前投与によるTh1/Th2メカニズムをELISA法以外の側面からも検討することを目的に、追加の実験として脾臓およびNALT組織からはRNAを抽出し、RT-PCRにてIL-4、IFN-γ、CCR5、CCR8の遺伝子発現を調べ、Th1/Th2のバランスについて多角的に考える。これらのデータを基にして得られた結果を取りまとめ、成果発表を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
サンプルのサイトカイン測定にはELISAキットを使用するが、キットには使用期限があるので、測定直前に購入しているため未購入のELISAキットがある。そのため約30万円の繰越金が発生した。この繰越金でELISAキットを購入し、また今年度の予算にてRT-PCR解析のための試薬購入、実験動物を購入にする。また研究成果発表のための学会参加の旅費に使用する予定である。
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