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2011 年度 実施状況報告書

脳機能画像を用いた痙攣性発声障害の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 23791913
研究機関琉球大学

研究代表者

喜友名 朝則  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10433103)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード痙攣性発声障害 / fMRI
研究概要

痙攣性発声障害(Spasmodic dysphonia:以下SDと略す)は、発声中の詰まりや途切れ、震えをきたす原因不明の疾患である。これまでSDの原因は局所のジストニアとする説が有力で広く受け入れられているもののまだ確定的ではない。これを裏付けるための研究が進められている。我々もfunctional MRIを用いて脳機能の観点からこれを裏付けるために研究を行っている。Siemens社の1.5TのMRIにて実験を行い、健常人29名、SD6例に対して検討を行った。SD症例では健常人と比較して、感覚運動野、前運動野、補足運動野、小脳、視床、大脳基底核、前帯状皮質にて賦活の程度が少なかった。反対にブロー野やウェルニッケ野では賦活の程度は多くなっていた。これはこれまでの他のSDにおける脳の賦活異常部位と同様であった。SDが中枢性の疾患であることが証明された。ただし、賦活の増減に関しては報告で一定していなかった。これまで他の局所ジストニアにおいても同様な部位での異常の指摘があり、一致していた。こちらも賦活の増減に関しては一定していなかった。つまり他の局所ジストニアと同様な部位での異常が認められたため、SDも局所ジストニアであるという根拠が強まった。しかし、賦活の増減は一定しておらず、症状を誘発するタスクによって変化があるものと考えられた。そこで現在は当院のMRIがGE社の3Tの装置に変わったきっかけもあり、タスクを「いー」「いーい。いーい。」「数字を読み上げる」の3つに変え、より声の悪化を誘導するタスクとし新しく現在研究を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

院内のMRI装置が入れ替えとなり、これまで蓄積していた1.5TのMRI装置での実験ができなくなったため、新しく3TのMRI装置にて実験を行っており、改めて健常人の脳機能画像をとることから始める必要が生じたため、やや計画より遅れている。これまでの装置とは使用法などが違っていたため、予備実験に時間を費やすことが多かった。しかし、健常人症例も蓄積され、SD症例も4例と少しずつではあるが症例は増えてきている。MRIの装置がより高能力となったためより詳細な結果を得ることができてきている。実験計画としてタスク実行時にも専用ソフトを使えるようになり、より正確に行えるようになった。実験の正確性としてはかなり向上したものと考えられる。今後症例数を着実に増やしていくことが必要である。

今後の研究の推進方策

今後予備実験は終わっているので、SD症例を着実に増やしていく予定である。また、治療を行った症例に関しても治療後で再度fMRIをとるよう努力していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度サーバーや実験周辺機器、刺激ソフトなどに約80万円、学会参加費、論文作成費、参考文献代に約50万円使用予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 健常人の発声時における脳活動 functional MRIを用いた検討.2011

    • 著者名/発表者名
      喜友名 朝則・鈴木 幹男
    • 雑誌名

      喉頭

      巻: 23巻 ページ: 8-11

    • 査読あり
  • [学会発表] 健常人の発声時における脳活動2011

    • 著者名/発表者名
      喜友名 朝則
    • 学会等名
      第13回日本人脳機能マッピング学会
    • 発表場所
      京都(国立京都国際会館)
    • 年月日
      2011 – 91-2
  • [学会発表] 痙攣性発声障害患者の発声時脳活動の検討2011

    • 著者名/発表者名
      喜友名 朝則
    • 学会等名
      第56回日本音声言語医学会
    • 発表場所
      東京(ホテルグランドヒル市ヶ谷)
    • 年月日
      2011 – 106-7

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公開日: 2013-07-10  

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