沖縄県出身の前庭水管拡大に伴う難聴例おいてSLC26A4遺伝子の解析を施行した結果、IVS15+5G>Aが最も頻度の高い変異である事を確認した。この結果、前庭水管拡大に伴う難聴例における遺伝子変異の頻度において、沖縄県は日本本土や東アジア諸国と異なることが示唆された。また、IVS15+5G>Aが疾患と関連する遺伝子変異であるかを確認するため、コントロールとして沖縄県出身の健常者100人においてIVS15+5G>A遺伝子変異の有無について解析を行った結果、健常者には認めない変異であった。また、遺伝子発現解析の結果、IVS15+5G>Aを認める症例では、遺伝子発現の低下を認めた。以上の結果より、IVS15+5G>A変異は沖縄県の遺伝学的特異性を反映した、前庭水管拡大に伴う難聴の原因となる遺伝子変異であることを証明した。
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