骨導超音波補聴器の実用化に向けた語音聴力の検討を行った。健聴者34名の中で、超音波の音は認知するが言葉を理解できない被験者が3名いた。ダイナミックレンジは17.5dBで過去の報告と矛盾しない結果であった。年齢別に明瞭度を検討すると、聴覚正常でも高齢になると明瞭度が低いことが分かった。この結果は骨導超音波の聴取メカニズムの仮説として挙げられている蝸牛基底回転での聴取説を支持するものであると考えられた。聴覚正常者におけるリハビリテーションの効果も得られた。難聴者においては聞こえ・弁別にばらつきが生じ、一定の結果は得られなかった。今後、骨導超音波聴取メカニズムの詳細な解明が期待される。
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