測定 1)御遺体に対し、鼓膜振動の解析を行った。鼓膜の部位別の振幅を比較し、最大振幅を認める部位がどこなのかを解析した。2)御遺体に対し、耳小骨の振動は、鼓膜が正常のままでキヌタアブミ関節およびアブミ骨底板を測定できるように後鼓室開放術を施し、外耳道から一定の音を入れることにより、正常の状態でのアブミ骨の動きと、接着剤でキヌタアブミ関節を固定した状態でのアブミ骨の動きを解析した。3)中耳機能が正常な者に対して鼓膜振動の解析を行った。 結果 1)鼓膜の振幅は中心である臍部が最も振幅が大きいことを解明した。2)アブミ骨をキヌタ骨と固着させることでアブミ骨底板の動きが減弱していることを確認し、耳小骨固着モデルを確立した。耳小骨に耳小骨振動子(人口中耳)をつけることで固着したアブミ骨底板を振動させることができることを確認し、耳小骨振動子の有用性を確認した。3)鼓膜振動の振幅は音圧および周波数により一定の傾向を示すことが解明した。 まとめ 本研究によりレーザードップラーバイブロメーターによる測定環境を整えることができた。プローブの開発に関しては時間的・費用的制約により成しえなかったが、今後の研究継続によりオリジナルの検査機器開発へつながっていくものと考えられる。
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