Niban は腎癌の多段階発生の初期に増加し段階を経るごとに減少していくことが分かっている。同遺伝子の機能は未知ではあるが、ストレスタンパクの一種と推定されている。我々が Nibanの頭頸部扁平上皮癌における発現の臨床統計学的検討を行った結果、TNM 分類(癌の進行度)と Niban の発現度、放射線治療や化学療法後の症例における Niban の発現度、Niban の発現度と予後の相関関係、そのすべてにおいて統計学的有意差は認められない結果であった。ヒト頭頸部癌症例からの検体のみではなく、効率よく研究を進めるために、マウス頭頸部癌の実験モデルを作成した。それにより前癌病変から進行癌までの細胞・組織を容易に採取することが可能になったと考える。
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