研究課題/領域番号 |
23791939
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
松本 文彦 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70445584)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | cSrc / 頭頸部扁平上皮癌 / 放射線治療 |
研究概要 |
それぞれの頭頸部扁平上皮癌症例に対する放射線の感受性予測とさらなる有害作用を最小限にとどめつつ、より治療効果の高い放射線治療の開発のためがん遺伝子の一つであるcSrcにターゲットを絞り研究を行っている。cSrcは放射線感受性との関連が培養癌細胞では認められるという予備的知見をえているが、これらの結果が実際の臨床でも応用できるのかを検討している。これらが応用することができれば、治療効果の予測因子として大変有用であると考える。cSrc inhibitorの抗腫瘍効果を検討し、現在頭頸部癌に対して最も頻繁に使用されているシスプラチンとの併用効果を検討予定である。シスプラチンの感受性が高い培養癌細胞に対するcSrc inhibitorの付加効果を、またシスプラチン抵抗性の細胞に対してのcSrc inhibitorの付加効果を検討する実験を行う。1)臨床検体を用いたcSrcと治療効果および予後との関係の検討咽喉頭および口腔癌により放射線治療を受けた患者の腫瘍組織パラフィン包埋材料ないし凍結保存材料を使用している。これらの組織内のcSrcの発現状況や発現パターンを免疫組織化学および遺伝子・タンパク解析法を組み合わせ総合的に頭頸部扁平上皮癌患者におけるcSrcと放射線療法の関係を明らかにする。現在、過去の症例を集積し、治療経過とcSrcの発現パターンの解析を行っている、数例に関してはデータが蓄積されてきているが、さらなる症例数の追加が望まれる。2)シスプラチン抵抗性培養癌細胞の選択以前の研究において放射線感受性を調べた培養癌細胞10種に対してMTT assayを用いてシスプラチンの感受性を調査している。各々細胞においてGI50を指標として感受性細胞と日感受性細胞の選出を終了した。今後、これらの代表的な培養細胞に対してcSrcとの関連を検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床における症例の集積が遅れているため。現時点であまり仮説を裏付ける結果がでておらず、cSrcと放射線の関係性に関して有益な報告ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
過去の症例についても検討を行い症例の集積を急ぐ。また喫煙歴など症例の傾向をしぼり検討を行う予定。
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次年度の研究費の使用計画 |
培養癌細胞の維持管理およびディッシュ、フラスコ、試薬などの実験消耗品への使用を予定している。またデータ管理のための保存媒体やデータ整理のPCソフトへの運用、研究経過の学会での報告のための参加費などを見積もっている。
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