研究概要 |
前年度までに細胞間隙を開大する効果をTight Junction(以下TJ) modulator H89で確認した。H89で開大された細胞間隙を足場に移植細胞がintegrateするか確認した。 ハートレー系モルモット(300-500g) を用い、幹細胞移植前5日にネオマイシンで難聴モデルを作成した。移植細胞としてマウス由来ES細胞N7K9 (pUS2-eGFP-Hyg)を使用した(Dr Reyes, University of Michigan)より提供)。 実際には蝸牛第二回転・蝸牛階にcochleostomyを行い、1μL / 分の速度でH89を注入した。H89注入15分後、5μLのES細胞(濃度1000cells/μL)を同部位から注入した。移植後1,2,4週間後に深鎮静後、PBSと4% PFAで全身環流固定を行い、蝸牛を摘出し、10μm厚で凍結連続切片を作成した。5切片毎、免疫染色した。染色法は以下のとおりである。一次抗体としてOct3/4(1:500 、overnight、4℃)を用いて染色、二次抗体としてAlexa 594 phalloidin (1:200、30分、室温)を用い、DAPIにて核染色し顕鏡した。 移植された幹細胞を蝸牛階、鼓室階、前庭階、蝸牛軸別に確認した。蝸牛基底回転、蝸牛階に少量の上皮内に陥入する移植細胞が確認されたが、いずれも2-3個と少数であった。
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