研究課題/領域番号 |
23791973
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
今井 弘毅 信州大学, 医学部, 助教 (50568409)
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キーワード | ミュークリスタリン / 加齢黄斑変性 / 脈絡膜新生血管 |
研究概要 |
8-12週齢のオスのマウス(ミュークリスタリンノックアウトマウス、ワイルドタイプマウス)の片眼の眼底(視神経乳頭周囲の網脈絡膜)に半導体レーザー(810 nm; Oculight SLx; Iris Medical Instruments, Mountain View, CA) を用いてレーザー照射(照射条件125 μm spot size, 130 mW intensity, 50 ms duration) を行った。2週間後に安楽死させた後、眼球摘出した。眼球より網膜を取り除き網膜色素上皮・脈絡膜・強膜を伸展させた。4%パラホルムアルデヒドで1時間固定して脈絡膜新生血管の血管内皮細胞に対する抗体である抗isolectin抗体による免疫組織化学染色を行い、染色された脈絡膜新生血管板を共焦点レーザー顕微鏡装置(TCS SP2; Leica )で1μm厚ごとスキャンニングし、体積を測定した。 ミュークリスタリンノックアウトマウスとワイルドタイプのレーザー誘発脈絡膜新生血管の体積の比較を行ったところ、ミュークリスタリンノックアウトマウスでは脈絡膜新生血管の平均体積が304966.667±97439.221μm3、ワイルドタイプマウスでは脈絡膜新生血管の平均体積が472200±91741.812μm3であった。しかし両方の脈絡膜新生血管の体積に統計学的に有意差(p=0.24)を確認することができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ミュークリスタリンノックアウトマウスとワイルドタイプマウスにおける脈絡膜新生血管の体積に有意差を確認することができなかったため、その後のDNAマイクロアレイによる遺伝子解析、RT-PCRによる遺伝子発現の変化の解析のプロセスに進むことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
ミュークリスタリンノックアウトマウスとワイルドタイプマウスにおける脈絡膜新生血管モデルを作成して再度体積、あるいは面積を比較していく。 有意差があれば、DNAマイクロアレイによる遺伝子解析、RT-PCRにより遺伝子発現の変化を解析していくことで脈絡膜新生血管の形成にミュークリスタリンを介して関与する遺伝子について確かめていく。 原因遺伝子より発現するタンパクの確認のために網膜、脈絡膜新生血管を含む網膜色素上皮・脈絡膜・強膜組織をそれぞれ採取し、ウェスタンブロット法にて定量的な解析を行う。原因タンパクの発現部位同定のために免疫組織化学染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡にて局在を確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
DNAマイクロアレイに1,200,000円、実験動物の飼育に300,000円、RT-PCR、ウェスタンブロット法、免疫染色などに200,000円の使用を検討している。 24年度は当初計画で見込んだよりも安価に研究が完了したため、次年度使用額が生じた。
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