研究概要 |
8-12週齢のオスのマウス(C57BL/6J)の片眼の眼底(視神経乳頭周囲の網脈絡膜)に半導体レーザー(810nm;Oculight SLx; Iris Medical Instruments, Mountain View, CA)を用いてレーザー照射(照射条件125μm spot size, 130mW intensive, 50ms duration)を行った。一週間後に尾静脈よりフルオレセインを静脈注射したあと、蛍光眼底造影検査を行い、脈絡膜新生血管からの漏出による過螢光を確認した。2週間後に安楽死させた後、眼球摘出を行い、4%パラホルムアルデヒドによる灌流固定後、パラフィン包埋、ヘマトキシリン・エオジン染色を行った。光学顕微鏡にて組織学的に脈絡膜新生血管を確認し、マウスレーザー誘発脈絡膜新生血管モデルを確立した。 マウスレーザー誘発脈絡膜新生血管モデルの眼球を摘出後、網膜を取り除き網膜色素上皮・脈絡膜・強膜を伸展させた。4%パラホルムアルデヒドで1時間固定して脈絡膜新生血管の血管内皮細胞に対する抗体である抗isolectin抗体による免疫組織化学染色を行い、染色された脈絡膜新生血管版を共焦点レーザー顕微鏡装置(TCS SP2; Leica)で面積あるいは体積を測定した。 ミュークリスタリンノックアウトとワイルドタイプのレーザー誘発脈絡膜新生血管の体積の比較を行ったところ、ミュークリスタリンノックアウトでは平均体積が304966±97439μm3、ワイルドタイプでは472200±91742μm3で、統計学的有意差(p=0.24)を確認することができなかった。 また面積でも比較してみたが、ミュークリスタリンノックアウトでは平均面積が38368±21184μm2、ワイルドタイプでは28387±31380μm2で統計学的有意差(p=0.51)を確認することができなかった。
|