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2012 年度 実績報告書

トランスサイレチンに着目した緑内障の病態解明と濾過手術合併症の克服に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23791993
研究機関熊本大学

研究代表者

川路 隆博  熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (30423677)

キーワード家族性アミロイドポリニューロパチー / 緑内障 / トランスサイレチン / トラベクレクトミー
研究概要

トランスサイレチン (TTR)の遺伝子変異が原因である家族性アミロイドポリニューロパチー (FAP)は、肝移植の導入により劇的な生命予後の改善を得たが、眼症状の進行は抑制できず、特に続発緑内障はきわめて難治であり、患者のquality of lifeを大きく脅かしている。また、最近我々は、原発緑内障患者の房水のプロテオーム解析により、房水中のTTRが有意な酸化修飾を受けている予備データを得た。本研究計画では、TTRの遺伝子変異または酸化修飾という二つの側面に着目し、緑内障の二つの病型、FAP続発緑内障および原発緑内障のそれぞれにおけるTTRの役割の解明に取り組んだ。
FAP続発緑内障に対する線維柱帯切除術後に高頻度に生じる濾過胞のencapsulationのメカニズムを解明するため、培養ヒト結膜線維芽細胞を用いてin vitro実験を行った。まず、結膜ヒト線維芽細胞自体がTTRを産生していないことを確認した。次に、TTRを様々な程度にアミロイド化させ、アミロイド化したTTRを培養系に添加し、ヒト結膜線維芽細胞の生存率、形態の変化について検討したが、生理的なTTR濃度では特に有意な所見を認めなかった。そこで、ラットの結膜下にPoly-HEMAで包埋したTTRアミロイドを長期間留置したところ、軽度な炎症を惹起する可能性が示唆された。今後、詳細なメカニズムを検討していく予定である。
また、原発緑内障の病態における酸化型(Cys結合型)TTRの意義の解明に関しては、さらに臨床サンプルを集め検討を行ったところ、やはり原発開放隅角緑内障眼ではmTTR濃度は有意に高く、有意に酸化を受けていることが明らかになり、現在論文準備中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Simultaneous Increases in Multiple Proinflammatory Cytokines in the Aqueous Humor of Pseudophakic Glaucomatous Eyes2012

    • 著者名/発表者名
      Toshihiro Inoue
    • 雑誌名

      Journal of Cataract & Refractive Surgery

      巻: 38 ページ: 1389-97

    • DOI

      10.1016/j.jcrs.2012.04.028.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 平成23年度日本眼科学会学術奨励賞 受賞論文総説:家族性トランスサイレチン眼アミロイドーシスへの網膜光凝固術2012

    • 著者名/発表者名
      川路隆博
    • 雑誌名

      日本眼科学会会誌

      巻: 116 ページ: 1046-51

    • 査読あり
  • [学会発表] 家族性トランスサイレチン眼アミロイドーシスにおける網膜光凝固術の効果2012

    • 著者名/発表者名
      川路隆博
    • 学会等名
      第116回日本眼科学会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム、東京
    • 年月日
      20120405-08

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公開日: 2014-07-24  

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