研究課題/領域番号 |
23791996
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
小島 彰 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30528237)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 眼底自発蛍光 / 中心性漿液性脈絡網膜症 / リポフスチン / キサントフィル |
研究概要 |
眼底自発蛍光は主に網膜色素上皮(RPE)に含まれるリポフスチンの自発蛍光を撮影することで、RPEの代謝機能を非侵襲的に評価できる手法である。通常は青色の励起光(488nm, 490nm)を使用しているが、これは中心窩ではキサントフィル等の黄斑色素にブロックされるため、中心窩の眼底自発蛍光の評価が困難であるという問題点がある。そこで、我々の施設では、市販の走査レーザー検眼鏡であるF-10(NIDEK)のバリアフィルターを改変し、緑色光(532nm)を励起光とする眼底自発蛍光(532AF)の撮影を行っている。本研究では、532AFの自発蛍光について、従来の青色自発蛍光(490AF)との差異を検討・解析し、532AFの臨床応用に向けてのデータを得ることを目的としている。平成23年度は、まず正常眼における532AFのデータを蓄積し、その蛍光輝度について解析した。従来の490AFのデータと比較し、中心窩での蛍光輝度が高く532AFでは中心窩の自発蛍光所見の観察が可能であった。この結果は平成23年日本眼科学会総会で報告した。次に、病的眼、特に中心窩に異常自発蛍光を示す中心性漿液性脈絡網膜症における532AFを解析したところ、490AFでは観察できなかった中心窩の小さな異常自発蛍光の観察が可能であり、網膜色素上皮の異常や、漏出部位の特定に有用である可能性が示唆された。この結果は平成23年日本網膜硝子体学会総会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
正常眼並びに病的眼の双方でデータの蓄積ができ、かつ逐次解析し国内学会での報告を行う事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
更なるデータ収集・解析を行い、学会での報告や、論文作成、学術雑誌への投稿を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
自発蛍光撮影や眼底観察に必要な用具の購入・整備や、データ解析に必要な物品の購入にあてる予定である。
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