走査レーザー検眼鏡 F-10(NIDEK 社)を改良して撮影した 532nm 励起光による眼底自発蛍光(532AF) の解析を行った。 1) 正常眼における 532AF は、490nm 励起光による眼底自発蛍光(490AF)と同様の蛍光輝度分布であった。532AF は黄斑色素の影響が少なく、中心窩の蛍光輝度が 490AF よりも有意に高かったため、黄斑部の観察に適していた。 2) 中心性漿液性脈絡網膜症で異常 532AF 所見を観察した。532AF 過蛍光部位は主に漿液性網膜剥離部位と、漿液性網膜剥離の復位後の網膜外層障害部位に一致した。532AF 低蛍光部位は網膜色素上皮障害部位と一致した。 3) 532AF 定量化のため、改良型 F-10 内部に蛍光リファレンスチップを設置した。532AF 撮影時に同時にリファレンスチップも撮影し、両者の蛍光輝度を比較して定量化を試みた。現在データ収集と解析を行っており、研究を継続中である。
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