研究課題/領域番号 |
23791997
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
河越 龍方 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20564800)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 自己免疫疾患 |
研究概要 |
本研究の趣旨はいまだに詳細な原因の分かっていないベーチェット病の原因を解明することにある。HLAに関してはHLA-B51およびHLA-A26がベーチェット病と深い関連性があることが知られている。しかしその発症メカニズムにおけるそれらの関与についてはほとんどわかっておらず、大きな課題となっている。そこで本研究ではHLA-B51およびHLA-A26を過剰発現する遺伝子改変マウスの作製を試みて機能解析を遂行していく計画である。以前にもHLA-B51過剰発現マウスは作製されているが、第1世代のHLA class I トランスジェニックマウスと言われており、細胞傷害性T細胞への抗原提示能がそれほど強くないとといわれている。一方、第2世代や第3世代と呼ばれるHLA class I トランスジェニックマウスは、ヒトとマウスのハイブリッド分子を用いるために、抗原提示能がより強いと考えられている。われわれはこの新しい方法を使って遺伝子改変マウスを作製している。これによりベーチェット病などのHLA関連疾患の原因解明が行われていく可能性がある。ゲノムワイド関連解析により、炎症性サイトカインおよびレセプターであるIL-10、IL-12R、およびIL-23Rの遺伝的多型が、ベーチェット病発症に関与するということがわかっており、これらサイトカインとの関係も、マウスを使った実験により生体内で証明することができる可能性がある。現在のところ過剰発現ベクターの構築が完了しており、セルラインにたいしトランスフェクションしてその発現および実際のT細胞活性化能を確認しているところである。この確認後速やかにトランスジェニックマウス作製に取り掛かる予定である。マウスのMHCを欠損したモデル動物は既に他施設より入手しており、今後HLA-B51およびHLA-A26トランスジェニックマウスが出来次第交配していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過剰発現ベクターの構築で試行錯誤があったために、当初予定より研究の進行が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
HLAトランスジェニックマウスの作製を速やかに行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
引き続き研究費のほとんどは消耗品費に使う予定である。トランスジェニックマウスの作製時には、primerやPCR試薬、受精卵採取、仮親への受精卵着床、マウス飼育などに相当な費用がかかると試算される。
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