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2012 年度 実績報告書

水晶体上皮細胞の上皮間葉系移行および細胞収縮におけるスタチンの影響

研究課題

研究課題/領域番号 23792000
研究機関岩手医科大学

研究代表者

玉田 邦房  岩手医科大学, 医学部, 助教 (20583610)

キーワード水晶体上皮細胞 / 上皮間葉系移行 / コラーゲンゲル収縮 / TGF-β / statin
研究概要

1、豚の水晶体上皮細胞をコラーゲンゲル内で培養し、TGF-βで促進される細胞収縮能がLovastatin(以下Lova)により抑制されるか検討した。TGF-β群のコラーゲンゲルは、コントロール群および10μM Lova基剤群より強く収縮したが、TGF-β+10μM Lova群ではその収縮が抑制された。今年度は、より高濃度の30μM Lovaを用いて検討した。高濃度Lovaによってコラーゲンゲル収縮はより抑制されたが、30μM Lova基剤群ではコントロール群よりも収縮が抑制された。2、上皮間葉系移行に与える影響を検討するため、豚の水晶体上皮細胞に10μM LovaとTGF-βを投与し、α-SMAのmRNAとタンパク発現量を測定した。TGF-β群は、α-SMA のmRNA・タンパク発現量とも増加し、TGF-β+Lova群では、それらの増加が抑制された。今年度は、さらにTGF-β+Lovaにメバロネートを投与した。TGF-β+Lova群よりα-SMAのmRNA発現量は増加したが、TGF-β群より増加は抑制され、抑制機構にRhoの関与が示唆された。3、2.と同様な方法で、細胞外マトリックスのコラーゲンI産生について検討した。TGF-β群でコラーゲンIのmRNAは増加したが、TGF-β+10μM Lova群では抑制された。
これらより、豚の水晶体上皮細胞においてTGF-βで促進される細胞収縮・上皮間葉系移行・細胞外マトリックス産生をLovastatinが抑制することを示した。しかし高濃度では正常細胞にも影響を与える可能性が示唆された。また上皮間葉系移行の機序として他の経路の関与も考えられるが、TGF-β作用下においてRhoを介したシグナル伝達が重要な要因であることも確認できた。Statin系薬剤のLovastatinが白内障術後の合併症に対する新しい予防法となりうると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Lovastatin alters TGF-β-induced epithelial-mesenchymal transition in porcine lens epithelial cells2012

    • 著者名/発表者名
      浦上 千佳子
    • 雑誌名

      Current Eye Research

      巻: 37(6) ページ: 479-485

    • DOI

      10.3109/02713683.2012.665121

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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