研究課題
マウスにおける遺伝子VEGFに対するsiRNAの配列についてデザインの決定を行った。選択された配列の遺伝子をAAV type8ベクターのベクタープラスミド(発現したい遺伝子をコード)に挿入した。ライゲーション、トランスフォーメーションを行って、クローンの単離を行った。クローンのシークエンスを確認し、プラスミドを精製後、発現を培養細胞にて確認後、AAV type8ベクターを作製した。次にAAV type8ベクターの発現を培養細胞にて確認後、ラージスケールにてベクターを作製し濃縮を行った。動物実験として脈絡膜新生血管モデルにおいて新生血管抑制効果を確認した。また予備実験として、投与方法の検討を行った。マーカー遺伝子(EGFP, Luc)を発現するAAV type8ベクターを結膜下、硝子体、網膜下へ投与し、経時的に病理学的、電機生理学的、またIVISという屠殺しなくても同じ個体で遺伝子発現を観察できる系を用いて発現パターン、発現強度、多臓器への影響を検討した結果、結膜下は遺伝子発現が弱く、1年後においても硝子体、網膜下にはほぼ差がなく強発現していることが分かった。さらに網膜下投与は投与自体が網膜の障害になることをHE染色、GFAP染色、ERGにおいて示した。全身へのベクターの散布としては、結膜下投与の場合、肝臓において有意に上昇していたが、1ヶ月後ほぼ消失していた。Current eye researchに報告した。
2: おおむね順調に進展している
予定していた脈絡膜新生血管モデルにおいてVEGFをsiRNAを用いて抑制効果を見ることに成功したため。
今後、サイトカイン量などを確認し、新生血管抑制効果のメカニズムについて解析を行う。
動物モデルを使用し、分子生物学的、免疫学的解析を行う予定である。
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