老化マウス、特にSAMP8及びSAMP10はSAMR(正常老化マウス、コントロールマウス)に比し、生後3か月で網膜神経節細胞が有意に減少していることが判明した。内顆粒層及び外顆粒層に関してこれらのマウスにおいて有意差はなかった。この結果より老化促進マウスのSAMP8及びP10では網膜神経節細胞が早期に減少することが判明した。神経細胞の成長や投射に関与する分子の神経特異性上皮増殖因子(Nell2)をImmunoblotにて検討すると、SAMRに比し、SAMP8及びSAMP10で生後1か月から減少傾向にあった。また抗老化分子で知られるSIRT1の変化も同様に検討するとSAMP8及びSAMP10で減少傾向にあった。この結果は老化マウスにおける網膜神経節細胞死にはNell2の分解及びSIRT1の減少が関与していることが判明した。
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