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2011 年度 実施状況報告書

視神経再生に関与する特異的マクロファ-ジの探索

研究課題

研究課題/領域番号 23792021
研究機関大阪医科大学

研究代表者

栗本 拓治  大阪医科大学, 医学部, 助教 (50388815)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードZymosan / 視神経再生 / 好中球 / オンコモジュリン
研究概要

Zymosanの眼球内投与後12時間、24時間、72時間目において眼球摘出後、コラゲナーゼIを用いてcell suspensionを作製した。好中球のマーカーであるGr-1, Ly6G、単球、マクロファージのマーカーであるLy6C, F4/80,に対する抗体を用いて、Flow cytometryを行ったところ、zymosan投与後12時間からGr-1+Ly6G+細胞が多く眼内に浸潤していることが明らかとなった。72時間ではF4/80+細胞が増加していた。硝子体の炎症細胞の塗抹標本を用いて、各炎症細胞のOncoodulin (Ocm)の発現を細胞染色により検討したところ、Gr-1+細胞、F4/80+細胞ともにOcmを発現していた。次に、Gr-1+Ly6G+細胞がzymosan投与による視神経再生効果に関連しているか否かを検討するため、Ly6G中和抗体を視神経挫滅直前に全身投与し、zymosanによる視神経再生効果が抑制されるか否かを検討した。Ly6G中和抗体投与により、視神経挫滅後14日目における再生効果は有意に抑制された。そして、zymosan投与後24時間、72時間後の網膜内Ocm発現レベルは、Ly6G投与により有意に抑制されていた。これらの結果から、Gr-1+Ly6G+の好中球は、眼炎症による視神経再生に関与している可能性が示唆された。次に、炎症後の白血球の血管内皮接着、炎症部への遊走に関与しているCD11b/18、PSGL-1のノックアウトマウスを用いて、zymosan投与後の視神経再生効果が抑制されるか否かを検討した。全眼球標本を用いたHE染色では、野生型と比較して、明らかに硝子体中に浸潤した炎症細胞は減少していた。さらに、視神経再生効果も有意に抑制されていた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画通り、炎症に関連した細胞表面マーカーをノックアウトした遺伝子改変動物を用いたデータや好中球、マクロファージに関連したflow cytometryのデータを蓄積することができている点。

今後の研究の推進方策

zymosan投与後6,12,24,72時間目に眼球を摘出し、cell suspensionを作製する。Gr-1+Ly6G+細胞を回収し、Ocmの発現レベルをReal-time PCRを用いて検討する。また、F4/80+細胞を回収し、Flow cytomeryを用いて、M1、M2マクロファージの出現率を検討する。そして、回収したGr-1+Ly6G+細胞と初代培養したRGCとの共培養により突起伸展効果がみられるか否かを検討する。

次年度の研究費の使用計画

前年度に引き続き、細胞培養、flow cytometry、real-time PCRに関連した試薬に研究費を費やす予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Transcorneal electrical stimulation increases chorioretinal blood flow in normal human subjects2011

    • 著者名/発表者名
      Kurimoto T, Oono S, Oku H, Tagami Y, Kashimoto R, Takata M, Okamoto N, Ikeda T, Mimura O
    • 雑誌名

      Clin Ophthalmol

      巻: 4 ページ: 1441-1446

    • DOI

      10.2147/OPTH.S14573

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transcorneal electrical stimulation improves visual function in eyes with branch retinal artery occlusion2011

    • 著者名/発表者名
      Oono S, Kurimoto T, Kashimoto R, Tagami Y, Okamoto N, Mimura O
    • 雑誌名

      Clin Ophthalmol

      巻: 5 ページ: 397-402

    • DOI

      10.2147/OPTH.S17751

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10  

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