研究課題
(目的)この研究の目的は、間葉系幹細胞がニトロフェン投与先天性横隔膜ヘルニアモデルラットにおいてどのような投与効果を示すかを検討したものである。(実験モデル動物作成と実験方法)胎生9.5日目に100mgのニトロフェンをオリーブオイル1mlに溶解し、母獣の胃内に投与し、胎生21日目に母獣を犠死せしめ、胎仔の横隔膜欠損を確認したものを横隔膜ヘルニアモデルラット(CDH群)とした。コントロール群(Control群)として、胎生9.5日目に母獣の胃内にオリーブオイル1mlを入れたものをコントロール群とした。eGFP成獣ラット肺から間葉系幹細胞を採取し、培養、増殖させ、胎生12.5日目に母獣を開腹し、母獣の子宮静脈内に間葉系幹細胞を注射した後に閉創し、胎生21日目に母獣を犠死せしめ、胎仔の横隔膜欠損を確認したものを間葉系幹細胞投与-横隔膜ヘルニアモデルラット(MSC投与-CDH群)とした。3群の胎仔から摘出した肺をヘマトキシリン・エオジン染色(H.E.染色)、抗PCNA抗体、抗Sp-C抗体、抗-SMA抗体を用いた免疫染色を行い、形態的評価を行った。(結果)MSC投与-CDH群では、CDH群と比較して肺胞中隔や末梢肺動脈の中膜径の有意な菲薄化を認めた。また、MSC投与-CDH群では、CDH群と比較して肺胞面積は拡張し、PCNA陽性細胞やSp-C陽性細胞は有意に多かった。MSC投与-CDH群では、胎仔肺の間質にGFP陽性細胞があることが確認された。(結語)MSC投与群では潜在的に肺胞や肺血管の成熟を促進する可能性があり、MSC投与によって先天性横隔膜ヘルニアモデルラットの低形成肺が成熟した可能性があるものと考えられた。
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