研究概要 |
今回の研究においてNECをおこし手術を行った母乳の投与されていない男児症例の回腸病理組織でFISH法を用いてXXシグナルを持つ細胞がないか検索を行ったところ、形態的にリンパ球と思われるXXシグナルを有する細胞をいくつか認めた(細胞1,000個あたり10個程度)。また妊娠中の双方向的細胞交換について、胎児へ移行する母親細胞(maternal micro chimerism)を定量的に評価し、超低出生体重児(およそ在胎23-27週)の臍帯血を利用して抗HLA抗体とマルチカラーFACS(fluorescence activated cell sortor)を用いて評価を試みたが検出感度の問題から定量化はできなかった。この時期のmaternal micro chimerismの定性は行う事ができたが、定量化を行うことにより壊NECの標的組織(消化管)にみられるXXシグナルを有する細胞の出現率と比較する事でmicro chimerismによるNEC発症のメカニズムを明らかにする事が必要であり、今後NECを発症した症例の臍帯標本におけるマイクロキメリズムをFISHで検索することで研究をつづけ、マルチカラーFACSでの検出については更なる検出手法を検討する必要がある。
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