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2012 年度 実施状況報告書

脂肪誘導機能付加生体材料による組織欠損補填療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23792059
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

矢澤 真樹  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60327567)

キーワード再建外科学
研究概要

腫瘍切除、外傷、あるいは先天異常において、外見的な醜形に対する再建手術として自家組織移植を中心としたボリューム付加手術が行われている。しかし、移植材料採取の目的で、健常部がドナーとして傷つけられ、レシピエント部にはパッチワークとして移植しているため、患者のQOL(quality of life:生活の質)は十分に改善されるに至っていない。そこで、注射針程度の切開で導入できる人工生体材料に脂肪の誘導・生着促進を目的とした物質を付加して移植することで、移植部に脂肪組織を誘導・生着維持させて、現在かかえているドナーとレシピエントの問題を解消できる、新しい組織移植による再建手術法の開発を目的とする。
初年度には注射針程度の切開で導入できる人工生体材料の検討と脂肪の誘導・生着促進すると期待できる物質についての検討をin vitroとin vivoの両方で行い、最も有望な組み合わせとして、人口生体材料としては生分解性のサケコラーゲン、脂肪誘導物質としてはチアゾリジンジオン誘導体を選択した。これら2つの最適な組み合わせについて、濃度や付加における技術的な問題を解決後、作成した脂肪誘導物質付加人工生体材料について、in vivoにおける継時的な変化を評価した。その結果、移植注入したコラーゲンの吸収と相補的に、脂肪組織の誘導と思われる組織が確認できた。このデータは、まだごく少量を移植注入した結果であるため、臨床で行われるような大量の組織を必要とする移植注入で同様の効果が得られるかは未知であるが、少量でも、注入材料により脂肪を誘導できたとしたら、その意義は大きいと言える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度において、注射針程度の切開で導入できる人工生体材料の検討と脂肪の誘導・生着促進すると期待できる物質についての検討をin vitroとin vivoの両方で行い、最も有望な組み合わせとして、人口生体材料としては生分解性のサケコラーゲン、脂肪誘導物質としてはチアゾリジンジオン誘導体を選択するところまでは順調に行うことができたが、これら2つの最適な組み合わせについて、濃度や付加における技術的な問題を解決する際に、一部外部協力を必要とし、最終的な材料の調整準備に時間がかかってしまった。

今後の研究の推進方策

最終的に作成した脂肪誘導物質付加人工生体材料について、in vivoにおける継時的変化の評価は順調にすすみ、結果として最終年度内に良好な結果を得ることができたので、現在、この結果を評価し、統計学的検定によってまとめ、学会や論文での発表準備中である。

次年度の研究費の使用計画

本研究で得られた結果を評価し、統計学的に検定可能かを判断後、適宜必要と思われるデータを追加収集し、最終的な研究成果をまとめて、学会や論文での発表を行う。未使用額の発生は効率的な物品調達を行った結果であり、次年度の消耗品の購入に充てる予定である。

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公開日: 2014-07-24  

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