知覚皮弁における神経再生の形態を評価する為、右鼠径部から右浅腸骨回旋動静脈を血管茎とし、伴走する大腿神経の知覚枝を支配神経とする鼠径皮弁を作成し、その知覚再生を評価する。 未治療モデルとして皮弁群:右鼠径部より有茎鼠径皮弁を拳上し神経温存し同部位へ採取部へ縫合する。 皮弁後神経切離群:右鼠径部より有茎鼠径皮弁を拳上し、知覚神経を切断し採取部へ縫合する。 植皮群:右鼠径部より有茎鼠径皮弁を拳上しこれを切除し、皮弁より全層採皮し、皮膚を皮弁切除部へ移植する群を作成した。評価方法として7日毎にLive imaginを同一個体で行い、移植皮膚内への再生神経を観察し、Whole mount imagingとしえ植皮又は皮弁移植35日後に還流固定を行い、移植皮膚を採取し、共焦点レーザー顕微鏡下に観察した。 治療モデル群として上記3群と同様のモデルを作成し0.1%タクロリムス含有軟膏を皮弁・植皮部に5日塗布し、2日休薬を連続して35日間行い、同様の評価を行った。 35日目で知覚皮弁モデル群ではlive imagingの結果として皮弁後神経離断群、植皮群、皮弁群の順で神経再生が蛍光発色が良い傾向であったが、皮弁群は他郡に比べ21日後から急速な蛍光発色の上昇を認めた。治療モデル群では皮弁群、植皮群、皮弁後神経離断群の順で蛍光発色が良い傾向であった。治療群でも皮弁群は他郡に比べ21日後から急速な蛍光発色の上昇を認めた。治療・未治療で各群を比較すると、すべての群で最終的に蛍光発色が治療群で高値となった。共焦点レーザー顕微鏡を用いたWhole mountではすべての群で知覚再生部位を同定する事が出来なかった。
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