本研究では、扁平上皮癌細胞に対する脂肪組織幹細胞移植の影響を検証するため、扁平上皮癌細胞及び脂肪組織幹細胞をマウス腹部皮下に移植し、癌細胞の生着及び腫瘍化を評価した。実験群として、実験群1:扁平上皮癌細胞単独移植、実験群2:扁平上皮癌細胞及び脂肪組織幹細胞を同部位へ混合移植、実験群3:それぞれの細胞を他部位(左右腹部皮下)へ移植、実験群4:扁平上皮癌を皮下移植し、さらに脂肪組織幹細胞を静脈内投与、を準備した。移植12週まで肉眼的観察及び画像撮影を実施し、腫瘍体積を各群間で比較検証した結果、脂肪組織幹細胞が扁平上皮癌細胞の生着及び腫瘍化を促進する所見は得られなかった。
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