研究課題/領域番号 |
23792077
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
矢野 武志 宮崎大学, 医学部, 助教 (80521707)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 敗血症 |
研究概要 |
背景:敗血症性ショックは、過度の血管拡張がもたらす持続的な低血圧状態であり、血圧の維持に難渋する場合が多い。血管拡張の原因物質は、高度な炎症の結果発現した誘導型一酸化窒素合成酵素によって作り出される過剰な一酸化窒素である。過剰な一酸化窒素存在下ではカテコラミン類の感受性が低下し、有効な昇圧作用を得るためには多量投与する必要がある。しかし、カテコラミン類の多量投与は副作用を引き起こす可能性が高くなるため、より効果的な昇圧薬の開発が期待されてきた。本研究では、敗血症性ショック状態からいち早く離脱するための薬剤として、ミオシン軽鎖脱リン酸化酵素阻害薬の利用に着目した。ミオシン軽鎖脱リン酸化酵素阻害薬は、ミオシン軽鎖のカルシウムイオン感受性を上昇させ、平滑筋に対し直接的な収縮作用を示すことが知られている。目的:トートマイシンおよびカリクリンAを用いて血管収縮性への影響を検討した。トートマイシンおよびカリクリンAはいずれもミオシン軽鎖脱リン酸化酵素阻害薬であり、血管収縮作用が報告されている。方法:具体的には、ラットから摘出した腸間膜動脈を用いて、血管収縮作用を調べた。いずれのミオシン軽鎖脱リン酸化酵素阻害薬も濃度依存性に血管を収縮させた。一酸化窒素の供与体であるニトロプルシドナトリウム存在下でも血管収縮作用を認めた。考察:これらの結果より、一酸化窒素過剰状態である敗血症性ショック時において、ミオシン軽鎖脱リン酸化酵素阻害薬が有効な昇圧薬として機能する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機器のセットアップや薬剤の調達に予想以上の時間が必要であった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、ミオシン軽鎖脱リン酸化酵素阻害薬における血管収縮のメカニズムについて調査するとともに、ラット敗血症モデルにおける血行動態への影響を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
試薬類、血行動態測定機器、研究動物購入および飼育費用などに使用し、また学会へ参加するための旅費としても使用する予定である。
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