人工心肺を含む体外循環後に起こる血小板減少に関する機序についての研究を行った。人工心肺下心臓手術周術期の血小板において細胞内 p38 MAPK リン酸化と Baxの亢進が観察された。そこで次に Bax ノックダウンまたは、 Bcl-xl ノックダウン血小板様細胞を用いて、ずり応力及びトロンビン負荷を与える実験を行うと、Bax ノックダウン血小板細胞は細胞死変化が抑制される一方で、 Bcl-xl ノックダウン血小板様細胞は細胞死変化が亢進した。また、血小板凝集能は血小板の細胞死変化と反比例して変化した。以上の結果から、血小板の細胞死が、体外循環後の血小板l機能低下及び血小板数低下に関与していることうが示唆された。また、レゾルビン D の投与によりこれらの変化が軽減したことから血小板減少の新しい予防法になる可能性が考えられた。
|