敗血症の原因物質である血漿中エンドトキシンの測定方法は現在においても確立されていない。現在保険適応されている測定法は比濁時間分析器を用い検体前処理にはTritonXでの10倍希釈加熱する方法であるが、以前よりその測定感度の低さが指摘されていた。今回我々は測定機器にESP法を用い、前処理にはTritonXにかわりヒト血清アルブミンを用いた方法を開発し検討を添加した試薬を用いたESP法により新規エンドトキシン測定法の開発について研究を行った。 まず測定系の精度であるが、今回の検討では従来の前処理法を用いた比濁時間分析法およびESP法ではそれぞれ感度57.0%・特異度97.0%、感度が75.9%・特異度が97.0%であった。それに比較し今回の検討を行ったアルブミン添加法によるESP法では感度が82.1%、特異度が97.0%と良好な成績であった。また測定時間においても1.0pg/mlのエンドトキシンを測定するのに従来の前処理法では比濁時間法が119分、ESP法が60分を要していたが新規方法では43分であった。 目標としてベッドサイドでの測定系の確立も目座しているがいまのところ測定精度にばらつきがみられ臨床応用には至っていない。新規測定法の開発目標としていた測定感度の上昇と測定時間の短縮においては良好の結果を得られ、現在論文作成中である。
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