我々は臨床に即したモデルとしてマウスの上行結腸穿孔ステント敗血症モデル(CASP)を確立した。炎症関連分枝の発現の抑制作用をもつNFkB認識配列を有する二本鎖オリゴヌクレオチド(NFkBデコイ)を治療薬として投与した。16時間前に100μg投与後、術後に200μg投与する群の死亡率は27%から0%に改善され、気管内洗浄液中のロイコトリエン濃度は、4.2ng/mlから1.3ng/mlと有意に減少した。腹腔内投与により腹腔内の炎症が抑えられ、肺への炎症が抑えられた結果と考えられる。臨床的にも腹腔内投与で簡便で著しい侵襲性を要せず、消化管穿孔の手術待機時の敗血症性ショックの予防になる可能性がある。
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