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2012 年度 実績報告書

口腔扁平上皮癌の浸潤におけるHPIPタンパク質の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23792115
研究機関昭和大学

研究代表者

山本 剛  昭和大学, 歯学部, 講師 (80384189)

キーワード口腔扁平上皮がん / LC/MS/MS / HPIP(PBXIP1) / 浸潤
研究概要

平成25年度は、HPIP遺伝子が口腔扁平上皮癌の浸潤に及ぼす影響について検討を行い、浸潤に関連する遺伝子との相関性について解析した。その結果、HPIP遺伝子のノックダウンによって口腔辺皮上皮癌由来細胞株の浸潤能は有意に減少しまた、その影響は特に分化関連遺伝子に強く表れている事が明らかとなった。しかし、一般的に浸潤と関連していると考えられているMMPsの発現には相関性が無く、現在はHPIP遺伝子のノックアウトによって影響を受ける遺伝子についてマイクロアレイを用いて解析している。
本研究課題の研究期間全体では、HPIPタンパク質が口腔扁平上皮癌の浸潤先端部(初期浸潤癌を含む)に強く発現し、主に細胞質に局在している事、さらに癌の浸潤様式と関連があり、verrucous carcinomaのように外向性に発育する癌には発現していない事が明らかとなった。これらの事からHPIPが癌の浸潤を引き起こす可能性を考えin vitroでの検証を行った結果、HPIP遺伝子のノックダウンによって癌の浸潤は抑制され、その抑制に関連して分化関連遺伝子の発現量が減少しているが、MMPsのような癌の浸潤に直接影響するプロテアーゼの発現には影響しない可能性が示唆された。いずれの結果も再現性が高くクリアーな結果であり、HPIPタンパク質の免疫染色は癌の浸潤を予測する有効なマーカーとなる可能性が高いと考えられる。現在は引き続きHPIPがどのような機能で癌の浸潤に影響しているかを解析中であり、また他臓器においても同様の結果が得られるか乳癌・大腸癌を用いて検索中である。今後HPIPの機能が明らかとなる事により、分子標的治療のターゲットとなる可能性や、HPIPの遺伝子変異が診断に用いられる可能性が期待できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Expression of myelin and lymphocyte protein (MAL) in oral carcinogenesis.2012

    • 著者名/発表者名
      Samir Kumar Pal
    • 雑誌名

      Medical Molecular Morphology

      巻: 45 ページ: 222-228

    • DOI

      10.1007/s00795-011-0563-2

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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