• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

口腔ジスキネジア発症に関わる大脳基底核ドパミン神経機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23792133
研究機関星薬科大学

研究代表者

池田 弘子  星薬科大学, 薬学部, 講師 (70297844)

キーワードジスキネジア / 大脳基底核 / ドパミン / 線条体 / 側坐核 / in vivo microdialysis
研究概要

口腔ジスキネジアは、高齢者にしばしばみられる顎顔面の不随意な運動異常であり、歯科臨床において治療の妨げとなる。口腔ジスキネジアの発症には大脳基底核が深く関与することが指摘され、線条体のドパミン機能亢進がその発症に重要な役割を果たすことが示されているが、線条体のみではその発症機構を説明することは難しい。申請者はこれまでに側坐核のドパミン機能も口腔ジスキネジア発症に重要な役割を果たすことを報告してきた。そこで本研究では、側坐核shell、側坐核core、線条体腹外側部および線条体背側部のドパミン神経の役割ならびにその関連性についてin vivo microdialysis法を用いて解明することを目的とした。
昨年度は、側坐核shellのドパミン機能亢進が側坐核coreのドパミン機能を低下させること、側坐核coreのドパミン機能低下が線条体腹外側部のドパミン機能を亢進させることを明らかにした。そこで本年度はまず、線条体腹外側部と線条体背側部の関連性について検討した。線条体腹外側部にドパミン受容体アゴニスト(SKF 38393とquinpirole)を投与した結果、線条体背側部のドパミン量は低下した。このことから、線条体腹外側部のドパミン機能が亢進すると、線条体背側部のドパミン機能は低下することが明らかになった。次に、側坐核shellのドパミン機能の亢進が線条体背側部に与える影響について検討した。側坐核shellにドパミン受容体アゴニストを投与したところ、線条体背側部のドパミン量は低下した。この結果から、側坐核shellのドパミン機能が亢進すると線条体背側部のドパミン機能は低下することが明らかになった。
以上の本研究の結果から、側坐核shell-側坐核core-線条体腹外側部-線条体背側部のドパミン神経回路が、口腔ジスキネジアの発症に関与する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Spiraling dopaminergic circuitry from the ventral striatum to dorsal striatum is an effective feed-forward loop2013

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Ikeda
    • 雑誌名

      Neuroscience

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1016/j.neuroscience.2013.03.023

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nucleus accumbens and dopamine-mediated turning behavior of rats: role of accumbal non-dopaminergic receptors2012

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Ikeda
    • 雑誌名

      Journal of Pharmacological Sciences

      巻: 120 ページ: 152-164

    • DOI

      10.1254/jphs.12R02CR

    • 査読あり
  • [学会発表] 腹側線条体から背側線条体へのフィードフォワード型ドパミン神経回路の存在2013

    • 著者名/発表者名
      池田弘子
    • 学会等名
      Neuro2013
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20130620-20130623
  • [学会発表] 側坐核shellドパミン刺激は線条体―黒質―線条体神経回路を介して背側線条体ドパミン遊離を抑制する

    • 著者名/発表者名
      池田弘子
    • 学会等名
      第86回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      福岡

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi