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2011 年度 実施状況報告書

人工バイオ微小環境を利用した癌細胞転移能の動的評価系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23792151
研究機関東京歯科大学

研究代表者

國分 克寿  東京歯科大学, 歯学部, 助教 (90535808)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードEpCAM / 循環癌細胞 / ファージディスプレイ
研究概要

上皮性細胞接着分子(EpCAM)は細胞表面に局在する糖タンパク質で、循環癌細胞(CTC)のマーカータンパク質として利用されており、最近の研究では、EpCAM 抗体を用いたCTC分離デバイスの開発が報告されている。本研究では、抗体をマーカータンパク質に結合する人工ペプチドに置き換えることで、捕捉した細胞を生体内に近いインタクトな状態で回収し、その機能解析が可能になると考えた。まず始めに、がん研究所の柏木らにより取得されたEpCAM結合ペプチドEp301の結合能の評価を行った。EpCAMタンパク質への結合能の評価を1分子蛍光分析システムを用いて行った結果、Ep301とEpCAMタンパクとの結合は認められなかった。また、EpCAM発現細胞株であるMCF-7やEpCAMトランスフェクト細胞へのEp301の結合評価においては、コントロールのペプチド非提示ファージと比較し、差はわずかにしか認められなかった。そこで次に、より強い結合能をもつペプチドを取得するため、Ep301におけるAlaスキャニングで相互作用に重要とされた4つのアミノ酸を保存した12残基のランダムペプチド提示ファージライブラリーを新たに作製した。作製したライブラリーにEpCAMタンパク質を結合させ、結合の弱いファージは洗い流し、結合能の強いファージを濃縮した。この一連の操作を5回繰り返し(バイオパニング)、得られたファージをクローン化してDNA配列解析を行うことでランダム領域に提示されたアミノ酸配列を同定した。その結果、新たにクローン化した#114ファージはEp301と比較し、EpCAMタンパク質に15倍の結合能をもつことが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

用いる予定であったEp301の結合能が低く、新たにファージライブラリーを作製し、結合ペプチドを取得するという行程が入ってしまったため、遅れが生じてしまった。またファージライブラリーの作製も、実験計画よりも日数がかかってしまった。

今後の研究の推進方策

平成23年度に取得した#114の結合能ならびに特異性の評価を行う。また、#114取得の際、他のクローンにも共通してみられるアミノ酸残基が9個認められたため、それら9個を保存したサブライブラリーを作製し、より結合能の強いペプチド取得にも取り組んでいく。EpCAMタンパク質との結合に関しては、1分子蛍光分析システムやSPRを用いて定量的に評価を行っていく。また、EpCAM発現細胞株やEpCAMノックダウン細胞、EpCAMトランスフェクト細胞を用いて、EpCAM結合ペプチドのEpCAM発現細胞への結合能の評価を行っていく。結合が評価されたペプチドに関してはデバイス上にコートし、センサーとしての評価も行っていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

試薬や器具、その他の消耗品が使用の中心となる。また、ペプチド合成に関しては、外部委託を基本とするが、DNA合成と異なり、比較的高価であることを申し述べておきたい。

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公開日: 2013-07-10  

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