研究課題/領域番号 |
23792154
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
松本 直行 日本大学, 歯学部, 助教 (20386080)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 脈管新生 / 腫瘍間質誘導 / DNA転写調節 |
研究概要 |
口腔扁平上皮癌細胞株であるHSC-3に対して、HDACi存在下におけるVEGF family 発現の変化を検討した。VEGF-A産生量はコントロール群と実験群に大きな差は検出されなかったものの、VEGF-BおよびVEGF-CではmRNA発現量の減少が確認された。次いで、遺伝子転写因子であるAP-1 (Fos とJunのヘテロダイマー)阻害剤としてAS601245 (1 - 5 mM)、AKT 阻害剤としてTriciribine (1 - 10 mM)およびmTOR 阻害剤としてrapamycin(0.1 - 1 mM)を添加し、real time PCR 法ならびにWestern blot 法によりVEGF family をはじめとする各種の脈管新生誘導因子(VEGF、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、basic fibroblast growth factor、angiopoietin-2、platelet derived growth factor B、placental growth factor)産生量を検討している。各種阻害剤の作用濃度の設定はほぼ確立し、研究2年度目への準備が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究に関わる諸条件、すなはち各種阻害剤の作用濃度の設定、定量的PCR、Western blotの条件はほぼ確立し、研究2年度目への準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、研究2年度目は、in vitro 実験系でHDACi 存在下におけるVEGF family の転写・翻訳機構を明らかにする予定である。また本学で実施された口腔癌手術症例についてVEGF familyをはじめとする血管・リンパ管増殖因子およびそれらのシグナル伝達を担うタンパクについてその発現量と臨床的な経過との関係を検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
各種阻害剤の添加により生じるmRNA とタンパク発現量の変化を解析することは、本研究の中心的な解析項目となる。これらの解析に必要なタンパク質の阻害剤、リアルタイム定量PCR試薬、各種抗体関連試薬を適宜購入し、実験に供する予定である。研究は全体として概ね順調に進展している。Western blotの条件もほぼ確立しているが、用いる複数の抗体のうち数種の選択が未決定事項であり購入に至らなかった。本年度に未購入分の抗体を購入し研究を進めて行く予定である。
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