口腔扁平上皮癌細胞株であるHSC-3に対して、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤である酪酸ナトリウム(SB)存在下におけるVEG Ffamily発現の変化を検討した。またSB存在下においてAP-1阻害剤、AKT阻害剤およびmTOR阻害剤が、VEGF family産生量に与える影響を検討した。SB刺激によるVEGF familyのmRNAおよびタンパク発現量を検討したところ、VEGF-A産生量はコントロール群と実験群に大きな差は検出されなかったが、VEGF-B、VEGF-CおよびVEGF-DではmRNA発現量の減少が確認された。また血管誘導因子であるangiopoietin-2およびplatelet derived growth factorbetaの発現量低下が見られ、SBによる口腔癌間質誘導の抑制が示唆された。
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