LeFortI型骨切り術において翼突上顎縫合部離断の際、大量出血などの偶発症を生じることがある。このような偶発症を回避するためには術前の適切な画像診断が重要となる。そこで翼突上顎縫合部周囲の解剖学的形態に適した画像診断ガイドライン作成を試みた。歯科用コーンビームCT(CBCT)画像から翼突上顎縫合部および大小口蓋管の形態、また肉眼解剖から神経・脈管の分布が様々であることを確認した。有限要素法解析により行った離断の際の応力分布は、大・小口蓋管や縫合部の位置や形態などの影響を受けた。大口蓋管のみならず小口蓋管や縫合の状態を考慮した診断を行う必要があると考えられた。
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