今後の研究の推進方策 |
ヒストン脱アセチル化阻害剤(VPA)およびDNAメチル化阻害剤の単独もしくは併用による効果を検討したが、DNAメチル化阻害剤にはVEGI、DR3およびDcR3に対する効果が確認できなかったので、VPA単独使用に限定し、in vitroで得られた効果(ヒト骨肉腫細胞増殖抑制に及ぼす直接的効果および腫瘍内血管新生抑制効果)をin vivoにおいて確認する。ヌードまたはSCIDマウスを用いRecombinant VEGI投与群を対照群とし、VPA投与群における腫瘍サイズの測定、多臓器転移の検索および蛍光免疫染色にて腫瘍内血管数を測定するとともに血管構造や構成細胞の変化についても検討する。1.VPAを作用させ、濃度・日にち経過による骨肉腫細胞の増殖能の変化を検討。2.腫瘍の凍結組織切片を作成し、蛍光免疫染色(CD31、αSMAおよびコラーゲンIV)を用いて腫瘍内血管数を測定、コントロール群と比較しする。また新生血管構成の変化を比較する。(αSMAおよびコラーゲンIV染色することで、血管構築を確認できる)3.VPAやrecombinant proteinの影響およびVEGI発現量の変化による生体への影響を確認するため、腫瘍のみでなく各臓器全てに組織標本を作製し検討する。特に腎臓、肝臓の機能については血液を採取しこれぞれの酵素の動態を検討する。4.各種抗癌剤とVPAの併用がヒト骨肉腫細胞のVEGI発現に及ぼす影響と血管新生抑制効果をin vitroおよびin vivoで検討する。(抗癌剤としては、実際の骨肉腫の治療に使用されているcisplatin, etoposide, doxorubicin等を使用する)
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次年度の研究費の使用計画 |
ヒト骨肉腫細胞株を維持する為に細胞培養関連試薬および消耗品(培地、ピペット等)を購入する(200,000円)。In vitroで得られた効果(ヒト骨肉腫細胞増殖抑制に及ぼす直接的効果および腫瘍内血管新生抑制効果)をin vivoにおいて同様の効果が得ることが出来るか確認するために、ヌードまたはSCIDマウスを購入予定である(350,000円)。VPA投与群の対照としてRecombinant VEGI(300,000円)をマウスに投与する。VPA投与後の分泌型VEGI、DcR3をELISA法(VEGIおよびDcR3-monoclonalおよびビオチン標識polyclonal抗体を購入:200,000円)にて測定し、Ex vivoにてVEGI、DR3、DcR3のmRNA発現をReal time PCR(Probe購入:80,000円)にて測定する。移植した骨肉腫内の血管数を凍結切片にて測定する為に、蛍光免疫染色(CD31、αSMAおよびコラーゲンIV)用抗体を購入する(200,000円)。研究成果を国内外の学会で発表し、学術雑誌にて英文で投稿する(学会交通費および英文校正、論文別刷代金として:250,000円)
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