研究課題/領域番号 |
23792165
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
保坂 啓一 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80451946)
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キーワード | 接着破壊 / 象牙質 / コンポジットレジン / 超高速度動的観察 |
研究概要 |
本年度は、撮影条件を改善し、接着試験中の引張り応力が負荷された状態での破壊挙動の超高速度観察技術を向上させ最高速度は600,000fpsに上った。その結果、これまで世界でも報告されたことのない接着試験中のヒト象牙質とコンポジットレジンとの接着界面の亀裂進展を初めてとらえることに成功した。ヒト象牙質とコンポジットレジンの界面のみならず、コンポジットレジンと接着剤層との界面での破壊や、接着剤層内部での破壊が多く観察され、これらの部位での接着の改善が今後の接着性能や接着耐久性の向上に不可欠であるとの見解が得られた。また接着システムによる破壊挙動の違いが明らかになりつつあり、これまでの接着強さや破壊形態の分析のみではわからない多くの知見が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年、マイクロテンサイル法における引張り応力による破断前後のレジン-象牙質接着界面の破断する瞬間の接着界面をさまざまな設定で高倍率・高速度撮影を行い接着界面の詳細な動的観察を行い、動的観察に必要なある条件で動的観察が可能であることがわかったが、本年度はさらにその撮影状況、撮影条件を改善し、最高60万fpsという高速での破壊挙動の観察技術を得ることができた。そしてこれまで報告されたことのない接着試験中のヒト象牙質とコンポジットレジンとの接着界面の亀裂進展を初めてとらえることに成功した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度はさらに高速度撮影をすすめ、数百万fpsの速度に挑戦する。さらに複数台での超高速度撮影技術を駆使して3次元的接着破壊の解析を行う予定である。接着破 壊の動的解析について、様々な接着性レジンを用いてデータを蓄積し、コンピュータによる動きのグラフ化と数値化により接着破壊における接着界面の形態変化を超スローモーションで3 次元的に構築していく。疎水性接着システムにより機械的強度を兼ね備えた接着剤層の接着性能に及ぼす影響について考察していきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
超高速度高倍率ハイスピードカメラの撮影費用、接着性材料代、実験機器の購入費用。国際学会での発表、論文発表にかかわる支出を予定している。
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