研究課題/領域番号 |
23792167
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
重谷 佳見 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80397132)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | レーザー / 象牙質・歯髄複合体 / 遺伝子 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
本研究目的は、ラット臼歯に各種エネルギー条件で半導体レーザーを照射し、その後の象牙質・歯髄複合体の修復過程、特に新生硬組織形成過程について、リアルタイムPCR法にて硬組織関連タンパクに対する遺伝子発現の経時的変化を検索する。さらに象牙芽細胞分化マーカー、あるいは幹細胞/前駆細胞マーカー発現細胞の局在変化、および硬組織基質蛋白発現細胞の局在変化について、組織学的・免疫組織化学的検索を行う事である。 リアルタイムPCR法により、レーザー照射後のmRNA発現動態を非コラーゲンタンパク(osteopontin, osteonectin, osteocalcin, dentin sialophosphoprotein, dentin matrix protein 1, および bone sialoprotein)のmRNA発現を検索対象として解析し、今年度はリアルタイムPCRでの検出条件を概ね確立した。 酵素抗体法により、レーザー照射後の象牙質・雌芯複合体での反応様式を象牙芽細胞分化マーカー(Heat-shock protein 25)、あるいは幹細胞/前駆細胞マーカー (nestin) 発現細胞の局在変化、歯髄中の5-bromo-2'-deoxyuridine (BrdU) 標識法による歯髄中の増殖細胞の動態解析を行った。その結果、低出力では、歯髄の損傷は軽度であり、前駆細胞の増殖分化過程を経ることなく象牙芽細胞様細胞の配列が生じたと思われる。一方、高出力では、原生象牙芽細胞が不可逆性に傷害されたものの、新生硬組織形成細胞出現の前段階として前駆細胞の増殖が開始されていることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リアルタイムPCR法により、レーザー照射後のmRNA発現動態を以下の非コラーゲンタンパクを検索対象として解析し、今年度はリアルタイムPCRでの検出条件を概ね確立した。 レーザー照射後の象牙質・歯髄複合体の修復過程、特に新生硬組織形成過程について、HE染色による組織学的観察を行うとともに、酵素抗体法により、象牙芽細胞分化マーカーとしてHeat-shock protein 25(Hsp-25)、中間径フィラメントnestin の発現を観察するとともに、BrdUで標識された細胞の動態解析を行い、さらにはapoptosisをTUNEL法により解析を行い、その成果を論文として発表する事が出来た。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度の検索を継続して実施するとともに、以下の検討を開始する。<遺伝子発現解析> 平成23年度に確立されたリアルタイムPCRでの検出条件をもとに、各種非コラーゲンタンパクの遺伝子発現量を経時的に検索する。<組織学的・免疫組織化学的検索> 平成23年度に確立された免疫組織化学的検出条件をもとに、非コラーゲンタンパク(osteopontin, dentin matrix protein 1, および bone sialoprotein等)の局在の経時的変化の検索を進める。さらに、画像解析法により各種検索対象細胞の分布密度、あるいは第三象牙質または骨様硬組織形成量の変化を統計学的に検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究目的の達成状況・研究成果を検証し、論文にまとめると共に今後の研究の発展について検討する。なお、得られた結果は定期的に開催される国内学会(日本歯科保存学会)及び海外学会(International Association for Dental Research (IADR))にて発表し、意見交換ならびに情報収集を行う。 消耗品については,ラットの搬入・飼育を考慮に入れると,受益者負担の動物実験施設使用料を含め,年間約25~30万円の動物維持管理費用が必要である。遺伝子実験では、遺伝子実験施設施設料も含め、専用ポリメラーゼ等は高価であるため、約20~30万円が必要である。Hsp-25, nestin, OPN, BrdU等の抗体は高価であるため、約25~35万円の抗血清・試薬が必要である。
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